浅川 |
高木さん、ポ・ト・フってご存じですよね? |
高木 |
はい、ごろごろ野菜やお肉をブイヨンでことこと煮た、食べるスープですね。 |
浅川 |
そう。ポ・ト・フというのは『火の上に鍋を置いた』って意味の言葉なんですよ。
火を使う料理の起源は、このポ・ト・フだということがわかりますね。 |
高木 |
全ての料理はスープから始まっているんですね。 |
浅川 |
世界中に、その国や地域を代表するスープがあるでしょ。それでは、今度は僕が高木さんをテストしましょう。世界3大スープを10秒以内に答えよ! |
高木 |
いろんな説がありますけれど、私が知っているのはタイのトムヤムクンと、フランスのブイヤベースと、えーと、中国のフカヒレスープかな。 |
浅川 |
正解!3大スープには入っていないけれど、これ以外にもロシアのボルシチとか、スペインのガスパチョとか、特徴のある魅力的なスープが世界中にあるんです。 |
高木 |
オニオングラタンスープも、地味だけれどはずせない、スープ界の縁の下の力持ち的な存在。私、だーいすき! |
浅川 |
そうそう、高木さんご存じですか?クラムチャウダースープ。 |
高木 |
やーね、知ってますよ。あさりとベーコン、野菜なんかを牛乳で煮込んだスープでしょ? |
浅川 |
日本では正解!でもアメリカでは不正解です、惜しい! |
高木 |
えっ、どういうことですか? |
浅川 |
正確にはあさりではなく、はまぐりの一種なんですよ。 |
高木 |
えっ、あさりだと思ってました! |
浅川 |
ユダヤでは昔、病気になると必ずチキンスープを飲んだそうですよ。 |
高木 |
中国にも身体に良さそうなスープが多いですね。それから韓国にも鳥を丸ごと煮込んだ、滋養の詰まったサムゲタン。日本の代表選手は、言うまでもなくお味噌汁ですね。 |
浅川 |
僕の働いていた南仏には、魚をすり潰したスープがあるんですよ。採れたての雑魚を丸ごと使うから色は茶褐色でキレイとは言い難いんだけれど、コクがあって美味しいんですよ、これが。 |
高木 |
栄養がぎっしり詰まっている感じで、聞いただけで身体に良さそう!飲んでみたい! |
浅川 |
スープはその地域に暮らす人々の生活を現す、言ってみれば文化ですね。 |
高木 |
岡本太郎の『芸術は爆発だ!』ならぬ、浅川秀樹の『スープは文化だ!』発言!『ア
ラ スーペ!』と共に、この言葉も流行らせましょうよ。 |